MUI

思い描くユーザーインターフェイス

Smallx Camp #5

2月17日、Webを中心としたデジタル業界の現場にフォーカスしたFacebookグループ『Smallx Camp』の第5回目となるライブ配信にゲストとして参加しました。

こちらではUIデザイナーとして紹介いただき、事前にいただいた16個の質問に回答しました。ライブ配信の内容とは完全に一致しませんが、質問の回答をいくつかピックアップしてまとめました。

まず回答の前に、ここでいう「UI(ユーザーインターフェイス)」を以下のように定義しました。

認知と物理的特性という二つのかなり異なる方法で存在するものの間での相互作用によって説明できるという意味において、インタフェースなのである。インタフェースが持つ重要な性質は、人間の感覚―運動系の協調と人工物の反作用とを、そのインタフェースに参入する人間が理解でき、また、そこで快適に感じるような力動的全体に織り込むということである。人体は、相互作用する人工物と同様に、インタフェースを構成する一部なのである。

p.87 意味論的転回―デザインの新しい基礎理論

好きな概念はなんですか?

私の好きな概念は「デザイン」です。森田さんは「アクセシビリティ」「コンテクスト」、坂本さんは「イノベーション」、和田さんは「ストーリー」と答えていました。

UIデザインを今学ぶのにおすすめの本を教えてください

「今」という言葉に、今現在のUIデザインという意味と、今これから学ぶには、という二つの意味を感じました。この二つに重なる本を挙げるなら『はじめてのUIデザイン』をおすすめします。現在へ至るUIの変遷がある程度体系的にまとめられており、今どきの現代文で書かれています。

手書きのノートをTwitterであげられていますが、メモは手書きが多いですか? デジタルではなにか使ってるアプリとかありますか?

メモは手書きが多いです。iPhoneで図画してメモを取るのは面倒です。私の今使っているスマートフォン(iPhone XS)では、紙とペンを使う場合より、線を引くことのリアリティが低いのです。ペンの入り抜きがカクッと曲がったり、ペン先がビョンッと飛んだり、思うように描けないということが、テキスト入力に比べてUIのバーチャルリアリティが低いと感じるのです。

iPhoneで絵を描くと、たくさんの色を使ったり、描いたオブジェクトを変形や複製したり、ファイルを共有するには便利ですね。

仕事するうえで欠かせないギア(ツール類)を教えてください!

BUFFALO プレミアムフィットマウス(Sサイズ)です。パソコンでデザインの仕事をしていると、カチカチカチカチカチカチカチカチ……、自分のクリック音で気が狂いそうになります。このマウスはクリック音が「コッコッ」という感じで、静かで良いのです。もう3台目くらいです。

GUIを操作してGUIをデザインしているためか、どうしてもグラフィカルな入力機器であるマウスに執着してしまうようです。

和田さんはナチュラルなマイクロソフトキーボード(古すぎておすすめできないとのこと)、森田さんはトラックボールのマウスとお答えになっていました。

心理学など勉強されていますが、学校に通われてるんですか? またなぜそうした学科を履修しようと思ったのか教えてください!

UIデザインの仕事をするうち、製品のUIは使う人の仕事や生活に責任が生じると思えるほど重大な部分なのに、その使いにくさや説明を社会的に責任を問われないことが不思議に感じるようになりました。

でも、一体なにができたらUIデザイナーなのか、どうなったらUIデザインをする資格があるのかわかりませんでした。そこで、まずUIデザインの責任を自分に問うとしたらなにをするべきか考えました。

UIデザインの良書の数々(『ヒューメイン・インタフェース』『ユーザビリティエンジニアリング原論』『誰のためのデザイン?』など)で考え方の基本とされる心理学、とりわけ認知心理学に目をつけました。本のなかでUI原則と述べられる理論のいくつかが、人間の認知の仕組みに基づいていることも大きかったです。コンピュータ側からだけでなく、人間の認知の側からも、UIについてもっとよく知りたかったのです。

現在の社会で一般的に認められている領域である認知心理学を学び、その専門的な知識と技能でもってUIデザインを行い、探求しようと決め、その証明として心理学を修めたことがわかる資格を取ろうと思ったのです。

心理学の専門家として仕事をするために必要な,最小限の標準的基礎学力と技能を修得している,と日本心理学会が認定した人のことです。

認定心理士とは – 認定心理士資格申請 | 日本心理学会

少し調べるだけで、放送大学で認定心理士資格取得を目指すことができるとわかり、2018年の2学期に入学しました。きっかけはそんな感じです。

UIデザイナーの使命で、『物が力を発揮する形を得るかどうか』ということばはステキだと思いました。これが体現されていると思うものを教えてください。

ありがとうございます!「はさみ」です。チョキチョキ✂。はさみは、冒頭で『意味論的転回』を引用して説明したような「人間の感覚―運動系の協調と人工物の反作用」が形となっているものに思えるのです。

UXという概念が分からなくなってきました。UXって何なんでしょう

「User Experience」をそのまま訳して「ユーザーの経験」としか言いようがなく、あるいはそれぞれの個別の定義があるように思います。考えれば考えるほどよくわからなくなるという経験は私にも思い当たります。この「経験」と「ユーザーの経験」の「経験」は全く同じです。でも、違うようにも感じられます。

ライブ配信では「チンチラ」を例に挙げてわからなさについて話しました。「チンチラ」ってご存知でしょうか。ちょっと「チンチラ」をイメージしてみてください。ちなみに動物です。

……さて、「チンチラ」を検索してみてください。イメージと合っていましたか? 写真を見ても、なんだかよくわからないかもしれません。私も2016年に初めて実物のチンチラを見て、目の前にいる生きたチンチラがなんなんだかわからなかったのです。うさぎみたいなねずみみたいな、でも、うさぎでもねずみでもない。かわいいけど理解できない。

UXもそういう、チンチラみたいなキワーノみたいな新奇な概念なのかもしれません。

おわりに

自分の生ぬるさを痛感するとともに、とても刺激になり楽しい配信でした。参加を歓迎してくださったSmallx Campさん、ゲストとして紹介してくださったひろみつさん、そしてご質問、ご視聴くださった皆様、本当にありがとうございました。

何かを説明しているyumemiとそれを聞いている和田さん、坂本さん、森田さん